こためも。

嬉しいこと、悲しいこと、うまくいかないこと、ちょっぴり達成感を得られたこと、そんなことをゆるっと書き連ねていたり、カレーへの愛を語ったりしています

2017-01-01から1年間の記事一覧

車の中で隠れて話をしよう vol.1-1【始まらない物語】

「やっぱり運転がへただなぁ」 うーん、それは自覚あるけど君よりはましだよ。 ハル君は注意深く左折しながら困ったように笑った。 「ハル君は明日もお仕事でしょ、もう少し飛ばしてもいいんだよ」 新入社員7人で久々に飲み会を開いて、明日も仕事のハル君と…

はじめましての文構造 vol.1-1【クランベリー型形態素】

「ごめん、たすけて」 食堂でおやつでもつまみながら課題を進めよう、なんて思いながら壁際の席を目指して歩いていると、服の裾をひっぱられた。 驚いて視線をやると、そこまで親しいわけではない学科の同級生だった。 背が高くて愛想のない彼の困った上目遣…

おかえりいりたまご vol.3-1【手付かずのフルコース】

守る人がいると人間は強い、なんて 守られてきた人の言葉なんだろう。 真実はきっとその逆で。 強い人は守られていて、 温かい帰る場所がある。 それがすべてのように感じてしまう。 守るべきものもなく、 帰る場所すらない。 わたしは世の理から外れてしま…

更新再開

お久しぶりです、こたろーです。 仕事がちょっぴり忙しくてしばらく放置になっちゃってました。 明日あたりからまた少しずつ更新できたらいいなぁ。 今更新してる、社会人の男の子が女子高生に手料理を振る舞う(?)シリーズと、大学生の男女がお勉強がんば…

秘密のインスタント味噌汁 vol.2-2【手付かずのフルコース】

その優しさが、世界中で私にだけ向けられるものならいいのに。 そう思ってしまう私は醜いのだろうか。 憎しみや恨みは溢れるほど独占できるのに。 万人向けのありふれた優しさじゃ物足りない。 私のことを頭のてっぺんからつま先まで理解して 今の私の心情を…

秘密のインスタント味噌汁 vol.2-1【手付かずのフルコース】

雨に打たれてすっかり冷えて 心細くなって暖をとろうとしたところで それはたかが知れていて どんなに身体をさすっても 手のひらが痛くなるだけだった いつの間にか隣にいた彼が微笑んで言った 「ごまかしてもだめだよ」 ふっと胸が熱くなる 「ぼくらは内側…

170712 梅雨の夜

こんばんは、こたろーです。 今まさに梅雨の夜ですね。 昨日は大きな地震がありました。 大雨の被害もまだ続いており、九州の方が心配です。 僕には何もできないけれど、募金はよくします。 いい人でしょ、ということではなくて、資本主義の世の中ですからね…

はじまりのシーチキン vol.1-3【手付かずのフルコース】

梅雨は命を潤わせる。 雨を喜ぶ生き物たちがいる。 そして雨がやみ日が強くなり、今度はそれを喜ぶ生き物たちがいる。 みんなどこかに生きやすい季節を持っている。 神様、もしもあなたがいるのなら 私が生きやすい季節はいつ作ってくれますか。 温まったか…

はじまりのシーチキン vol.1-2【手付かずのフルコース】

人はどんなときに泣くのだろう。 悲しいとき。 嬉しいとき。 感情があふれて涙になるのだとしたら、 こんなにも胸を満たしている虚無は私が感じているものではないのかもしれない。 何もないわけではなくて、確実に何かが息をつまらせている。 あふれるほど…

170710 知らないということ。

こんばんは、こたろーです。 今日は納豆の日らしいですね。 7月10日だからですね。シンプル。 昔は納豆苦手でした。 まぜまぜして、掴みづらいつぶつぶたちをそっと掴んで、ようやく口に運べたと思ったら口から離したお箸も糸をひいちゃって。 食べづらいこ…

170710 記事を書くこと。

はじめまして、こたろーです。 少しじめじめしているけれど、日中は暑くて、室内は寒くて、身体が少しくたびれやすい時期ですね。 ぼくは体調管理はあまり得意じゃなくて毎年夏バテしちゃうので、今年は水分多めに摂ってます。 今日のテーマはこのブログをは…

はじまりのシーチキン vol.1-1【手付かずのフルコース】

梅雨の真っ只中、 冷たい雨の酷い夜、 俺は女の子を拾った。 その日もいつも通りに仕事を終え自宅へ車を走らせていた。 もう6月中旬ですっかり日が長くなってきたのだが、6時の空は雨のせいですっかり暗い。 視界の悪さに少しうんざりしながらいつもの道を…