こためも。

嬉しいこと、悲しいこと、うまくいかないこと、ちょっぴり達成感を得られたこと、そんなことをゆるっと書き連ねていたり、カレーへの愛を語ったりしています

更新再開

お久しぶりです、こたろーです。

 

仕事がちょっぴり忙しくてしばらく放置になっちゃってました。

 

明日あたりからまた少しずつ更新できたらいいなぁ。

 

今更新してる、社会人の男の子が女子高生に手料理を振る舞う(?)シリーズと、大学生の男女がお勉強がんばるシリーズの2つを並行して書いていけたらなぁと思っています。

 

大学生シリーズはストーリーの大筋はできていて、ただ扱う題材が学問なのでもう少しキャラとお話しながら構成を練りたいところです。

 

すっかり季節も変わってしまったけれど、肌寒さと少しの人恋しさに負けずに日々を過ごしていきたいね。

 

みんな体調気をつけてね、特に夜はお腹冷やさないようにしてね。

 

 

秘密のインスタント味噌汁 vol.2-2【手付かずのフルコース】

 

その優しさが、世界中で私にだけ向けられるものならいいのに。

 

そう思ってしまう私は醜いのだろうか。

 

憎しみや恨みは溢れるほど独占できるのに。

 

万人向けのありふれた優しさじゃ物足りない。

 

私のことを頭のてっぺんからつま先まで理解して

 

今の私の心情を察して

 

ただ私を慰めて癒すためだけの

 

そんな優しさがほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

カコン、と音がして電子ケトルはお湯が沸いたことを知らせてくれた。

 

キッチンをろくに使わない一人暮らしの男性が料理をするとなると必然的にインスタント食品に頼ることになる。使う調理器具は電子ケトルのみ。

料理、調理器具、という言葉がそれぞれ当てはまるかどうかは分からないが、それで手いっぱいだ。

 

シンクの上の棚から100均で買ったマグカップをふたつ出す。

 

週末に仕入れておいたインスタント味噌汁の袋を開ける。

味が5種類あるが、彼女は何が好きだろう。

彼女のことは何も知らないので考えたところで一歩も正解には近づけない。

 

長ネギの袋と味噌の袋をふたつずつ取り出して、マグカップにいれる。

カラカラの長ネギの上に重たい味噌が落ちてゆく。

 

お湯を注いでも、味噌は簡単には溶けない。

 

箸でゆっくり混ぜると赤味噌の温かみのある香りが漂う。

ふくらんだ長ネギは先ほどまでカラカラだったことも忘れられるくらいにおいしそうだた。

 

 

ふたつのマグを彼女が寝ているソファの前のテーブルに移す。

 

初めて彼女が食べてくれたのはコンビニのおにぎり。

今度は自分で手を加えたし、何より温かい。

クオリティは低いけれども少しは進歩した。

 

 

「寒くない?だいじょうぶ?」

 

少し離れて腰かけて、丸くなっている彼女に声をかける。

 

うう、とさらに丸まって、彼女の瞳がこちらを向いた。

 

「あれ、寝ちゃってましたか...?」

 

「寝れたなら良かった。お味噌汁作ったから良かったら飲む?」

 

もうすぐ7月なのに寒そうにしている彼女は小さく頷いた。

 

ゆっくりマグカップを手に取り、口元で優しく息を吹きかけて冷ます。

湯気が頬に当たり温かいのか目を細める彼女は、突き飛ばせば簡単に死にそうだった。

 

 

丁寧に丁寧に冷まして、ようやく口にした味噌汁はおいしかったらしく彼女はゆっくり飲み進めた。

 

「お兄さんは、どうして優しいんですか」

 

彼女の目線は長ネギに向いている。

 

そういえば味噌汁はマグカップに注ぐものじゃなかったな、と思い返すが味噌汁用の器なんて持っていなかった。

 

「優しくなんてないよ。君がお腹を空かせて凍えていて、僕もひとりが寂しかっただけ」

 

眉を困らせて彼女がこちらを見る。

 

「寂しかったら優しくするの?」

 

「上手くいかないときは、せめて善い行いをする、っていうのが信条なんだ」

 

「ボランティア?」

 

おれが君に優しくするのは他所から見れば如何わしい、もしくは善い行い。

だけど、街角でゴミを拾うように君を拾ったわけじゃない。

 

「違うよ、自分にできる範囲で人を助けるのは人として当然なんだ」

 

じゃあ、お兄さんは誰にでもお味噌汁を作ってあげるの?

 

そんな問いが生まれてきて、自分の醜さに辟易とする。

お兄さんの優しさに出会えただけで嬉しいのに、その理由が分からなくて落ち着かない。

 

もしかしたら悪い人なんじゃないか。

 

何か裏があるんじゃないか。

 

それでも。

 

もしそうだったとしても、今まで通りの日々を送るよりはずっとましだ。

 

どこかでそう思っているから私はここにいるんだろう。

 

「君がどうして元気がないのかは分からないけど、睡眠と食事くらいならここで好きにしていいから」

 

少なくとも今は優しいこの場所も、誰かにばれたら奪われる。

 

「…ありがとうございます」

 

知られてはならない。

 

お兄さんの存在も。

 

私に優しいことも。

 

誰もが知っていそうな、このお味噌汁の味すらも。

 

 

 

 

秘密のインスタント味噌汁 vol.2-1【手付かずのフルコース】

 

 

雨に打たれてすっかり冷えて

 

心細くなって暖をとろうとしたところで

 

それはたかが知れていて

 

どんなに身体をさすっても

 

手のひらが痛くなるだけだった

 

いつの間にか隣にいた彼が微笑んで言った

 

「ごまかしてもだめだよ」

 

ふっと胸が熱くなる

 

「ぼくらは内側から温まらないといけないんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜8時にあの場所で。

 

 

 

出会ったのは金曜日だったから、土日の二日間はその場所を通らなかった。

 

 

待ち合わせには条件があった。

 

「君が元気じゃないこと」

 

悲しかったり、なんとなく調子が悪かったりするときは、うちに来ればいい。

 

そんなときは八時にあの場所で会おう。

 

 

 

月曜になって帰宅途中に通ると、人影があって思わずブレーキを踏んだ。

この調子だといつか追突されてしまうだろう。

 

 

車を寄せると彼女はぱぁっと顔を明るくした。

そんな表情は初めて見て、少し嬉しくなる。

 

「こんばんは」

 

彼女は小さな声で挨拶をして、ぎこちなく助手席に乗り込む。

学校の大きな指定鞄を膝の上に乗せ、シートベルトを締める。

 

「こんばんは、まさかいるとは思わなかった」

 

「私も、まさか来てくれるとは思いませんでした」

 

どうやらお互いに同じ気持ちだったらしい。

驚きが大きいのはおそらくこちらだとは思う。

女子高生を仕事帰りに連れ帰るなんて、そんなことがあっていいのか。

 

「知らないお兄さんの車に乗るの、怖くないの?」

 

アクセルを踏み右側を視認して車線変更しながら、少しいじわるな気持ちで聞いてみる。

 

「怖くないですよ、優しい知らないお兄さんですから」

 

彼女はうつむきながら言った。

胸を張って言えないよね。おれたちはまだお互いのこと何も知らないものね。

優しい、なんてつけても、あくまで知らないお兄さんでしかないよね。

 

 

おれたちはお互いのことは一切知らない。名前も、年齢も、日中何をしているかも。

 

 

 

 

 

 

 

車を降りてエレベーターに乗り、 そして部屋についた。

 

玄関で靴を脱いですぐ右側には寝室がある。

 

「この部屋は物置だから。絶対に扉を開けないこと。守れる?」

 

彼女は大きく頷いた。

 

 

リビングのソファに座り、彼女にも隣に座るよう手招きする。

彼女は遠慮がちに、少し離れてちょこんと腰かけた。

 

「今日は雨が降らなくてよかったね。体調はどう?」

 

「まずまず、です」

 

通学鞄を抱きかかえている彼女の顔色はそう良くない。

 

「月曜日くたびれたろ、少し寝たらいいよ」

 

ソファの端に置いておいた毛布を彼女にかける。

柔軟剤の優しい香りが彼女を包んだ。

 

「え、いや、だいじょうぶです、眠たくないです」

 

慌てたように断るが、目の下の深いクマは隠せない。

 

5分後には彼女は寝息を立てていた。

 

 

 

 

 

さあ、目を覚ました彼女に何を食べさせてあげよう。

料理をしたことのないキッチンとおれは、彼女のためにお湯を沸かした。

 

170712 梅雨の夜

こんばんは、こたろーです。

 

今まさに梅雨の夜ですね。

昨日は大きな地震がありました。

大雨の被害もまだ続いており、九州の方が心配です。

 

僕には何もできないけれど、募金はよくします。

いい人でしょ、ということではなくて、資本主義の世の中ですからね。

行動力も役立つ技術もないけれど、そんな僕でもお役に立てるのです。

それはとても小さいですし、自己満足かもしれませんが。

 

僕はお金のために働いています。

愛や希望や夢のためではありません。

 

だけど、愛も希望も夢も、お金の力で守れることがあります。

毎回ではありませんが、お金にはそれだけの力があります。

 

それが僕の働く意味です。

 

正解なんてありませんし、十人十色の働く意味があると思います。

 

そして時には働かない決断の方が重要だったりもします。

自身にとっては。

 

 

 

今まで11の記事が公開されていたのですが、いったん下げています。

なんとなくひとつの物語を書き進めることに集中しようかな、と思ったためです。

下げた物語も構成はなんとなくあるので、また落ち着いたころに整えて皆さんのお目にかかることができれば、と。

 

週に1本は記事を上げ続けていきたいところです。

 

 

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

手足が冷えすぎないように暖かくして、おやすみなさい。

はじまりのシーチキン vol.1-3【手付かずのフルコース】

 

 

梅雨は命を潤わせる。

 

雨を喜ぶ生き物たちがいる。

 

そして雨がやみ日が強くなり、今度はそれを喜ぶ生き物たちがいる。

 

 みんなどこかに生きやすい季節を持っている。

 

 

神様、もしもあなたがいるのなら

 

私が生きやすい季節はいつ作ってくれますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

温まったからか、肩の力が抜けて呼吸がしやすくなった。

濡れてしまった部屋着を洗濯機に入れて、柔らかい部屋着へ着替える。

 

湯船に浸かってしまった毛先をタオルで拭きながら、少し冷静になる。

名前も素性も知らない男の人の家でお風呂に入った。

私は何をしているんだろう。

 

下校中に具合が悪くなったことは覚えているが、その先が全く分からない。

 

知らない男の人の使っているお風呂で裸になるのには抵抗があったが、それを察してくれたのか着衣で入浴させてくれたし、あげく自分は今夜温泉に行くという。

 

悪い人では、ないようだ。

 

それどころかすごくいい人のように思える。

 

彼は今外出しているが、この隙に私が泥棒して逃げ出すとは考えなかったのだろうか。

 

…考えなかったのだろう。

 

 

ドライヤーを借りて髪を乾かし終えたところで、彼が帰ってきた。

 

脱衣所から顔を出し、ありがとうございました、と頭を下げる。

 

「あ、ただいま」

 

はにかんだ彼は両手にコンビニの袋を抱えていた。

 

「少しは温まれた?タオルは洗濯機にかけて、リビングにおいで」

 

おいで、という響きに少し照れくさくなる。

あたたかい。

 

 

 

 

彼は食事を買ってきてくれていたようだ。

 

「なにが食べたいか分からないから、適当に買ってみた。何がいい?」

 

お弁当、サラダ、菓子パン、おにぎり、サンドウィッチ、クッキー、ゼリー、様々な種類の物が机に広げられている。

 

「好きなだけ食べなね」

 

「…じゃあ、おにぎり頂いてもいいですか」

 

彼はにこっと微笑む。

 

「シーチキンと梅干し、どっちがいい?」

 

「シーチキン、にします」

 

彼はおにぎりを包んだ袋を開けてくれる。

 

「好きなの?」

 

上部分が開いた袋から、おにぎりが顔をのぞかせている。

 

「お昼ご飯でたまに食べるから。その、匂いとかで怪しまれないし、家の人に」

 

「歯磨きしたら…歯磨き粉の匂いでばれちゃうのか」

 

彼女はこくん、とうなずいた。

 

 

普通だったらばれないのにね。

君はそういう環境にいるんだね。

 

 

彼女は小さな一口を少しずつ重ねていった。

 

 

 

 

 

 

 

私が食べ終わると、時計の針は10時を示していた。

 

「君もそろそろ帰らないとね。車で送るよ、制服に着替えておいで」

 

カーペットに足が吸い付いたように、立ち上がれなかった。

 

嫌だ、なんて言えるはずもない。

言葉なく俯いていると、彼が私の隣でしゃがみこんだ。

 

顔を覗き込んでくる。

 

 

「人は、心の隙間の部分を使って生きてるんだ」

 

彼は少し恥ずかしそうに、私に笑いかけた。

 

「幸せはね、心を少しずつ温めてくれる。ぼくらを固く張りつめさせている、氷みたいに冷たくて痛々しい不安を溶かしてくれる」

 

「時間をかけてそれが気体に変わったら、僕らは深呼吸のついでにそいつらを吐き出すの。そしたら心が少し広くなって、その余白を何かのために使うんだ」

 

「考えるのも、立ち向かうのも、歩き出すのも、余白が必要だから。今は何もしなくていい。ただ、またいつでもおいで。僕はここで君を待ってるよ」

 

 

 すぅっと、私の頬を涙が駆けた。

 

 

その日から、彼の部屋は私の帰る場所になった。

 

 

はじまりのシーチキン vol.1-2【手付かずのフルコース】

 

人はどんなときに泣くのだろう。

 

悲しいとき。

嬉しいとき。

 

感情があふれて涙になるのだとしたら、

こんなにも胸を満たしている虚無は私が感じているものではないのかもしれない。

 

何もないわけではなくて、確実に何かが息をつまらせている。

あふれるほど大きいはずなのに、涙にもならない。

 

それは心ではなくて、鈍く働く理性の管轄になってしまったからか。

日常というささやかで他愛もないタスクすら、私には壁として立ちはだかる。

 

そしてその壁は永遠に続く。

当たり前のような絶望に、立ち向かう術を私は知らなかった。

 

 

 

 

その日までは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めて、肌心地の良さを感じた。

カーペットの上に私の足が投げ出されて、その周りだけ水分で色が暗くなっている。

壁にもたれた私の視界には知らない部屋が映っていた。

 

電源の入っていない小さなテレビ、リモコンや鍵が放り投げられたテーブル、一人用の座椅子、壁に向けられたパソコン用デスク、小さなキッチン。

 

ゆっくり部屋を見渡しながら隣へ目線を移すと、心配そうに男の人がこちらを見ていた。

 

「体調、だいじょうぶ…?」

 

自分の身体が毛布に包まれている。

頭がぼーっとする。

 

「ここは」

「あ、ごめん、おれの部屋。勝手に連れ込んだみたいになってごめん、君がどうしても」

 

泳いだ目と視線がぶつかると、彼は言葉をとめた。

 

「いや、目を覚ますか心配で仕方なかった。よかった。本当に、よかった」

 

悲しいような顔で喜ぶこの人はきっと優しいのか、すごく悪い人かのどちらかなのだろう。

 

「君ね、ずぶぬれで倒れていたんだよ。身体冷えただろ、風呂はいっておいで」

 

彼は脇に用意していたらしい部屋着を私の足元に置いた。

 

「これに着替えて、服脱いでお風呂入りたくなければこれ着たままでもいいから、湯船につかってあったまっておいで。その間に君の制服を乾燥機にかけてくるよ」

 

立ち上がった彼を見上げる。私の頭はあまり話に追いついていけない。

 

「近くにコインランドリーがあるから、おれは20分くらい外にいるからね」

 

 

 

彼は既に湯船を貯めた温かいお風呂場に案内してくれて、もらいものでまだ使っていなかったバスタオルがあることと、着衣で湯船につかったあとの着替えまで教えてくれた。

下着はコンビニで買ってきてくれていたようだ。今回だけ我慢して、気味が悪ければすぐに捨てていいと言われた。

 

「おれは今夜は君が帰った後温泉にでもいくから、気にせずに使っていいからね」

 

脱衣所で水を吸った重たい制服からふわふわの部屋着に着替えて、リビングで待っていた彼に渡した。

同じくコンビニで買ったペットボトルの温かいお茶を私の手に持たせると、彼は「ゆっくりしなね」と言い残して出ていった。

 

 

言われるがまま、服を着たままお風呂場に踏み入れた。

あの人が掃除をしてくれたからか、床が濡れている。

 

足の裏の冷たい感触と、空気の温かさ。

お風呂場と、部屋着。

ここと、私。

 

何もかもがおかしくて、よく分からなくなった。

 

 

シャンプーはボディーソープは匂いがつくから、家の人にばれるかもしれない。

 

 

シャワーを軽くあびると、服がまた重たくなった。

湯船につかろうと、重たい足を引き上げる。

 

水面に触れた足先が一瞬冷たく感じられ、そしてそれはしびれに変わった。

 

 

じんじんする。

 

 

足先の血液が一気にめぐり始めたようだった。

 

 

 

ああ、私は生きてるんだ。

 

 

 

しびれを感じながら、少しずつ身体を溶かしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

170710 知らないということ。

 

 

こんばんは、こたろーです。

 

 

今日は納豆の日らしいですね。

7月10日だからですね。シンプル。

 

昔は納豆苦手でした。

まぜまぜして、掴みづらいつぶつぶたちをそっと掴んで、ようやく口に運べたと思ったら口から離したお箸も糸をひいちゃって。

食べづらいことこの上ない。

 

いまはだいぶ好きになりました。

納豆とかオクラとか梅ペーストとかをご飯にのっけて食べるの、最高ですね。

夏が始まる前に、身体を元気づけるって大切です。

 

 

 

今日の二つ目のテーマは、知らないということです。

 

 

「知る」という行為って、不可逆的なんですよね。

一度知ると、知る前には戻れない。

忘れる、は知る前の状態と全く同じではありえない。

 

では、「知らない」とはどういうことなのか。

 

 

 

まず、勉強に例えて考えます。

 

めちゃめちゃ成績がいい子ってクラスに一人はいますよね。

それも、あんまり勉強してなさそうに見えるのに成績がいい子。

 

そういう子たちは「知らない」から「知る」への転換が早いのか。

それとも、そもそも「知らない」がなくてなんとなくわかるのか。

 

彼らにとっての「知らない」のうち一部は、「未知」の事柄、というよりは

「たまたままだ出会わなかっただけ」の事柄、ではないでしょうか。

 

今までに出会ったことはない。

でも今までに学び得た「既知」を組み合わせれば解き明かせる。

「既知」を駆使しても手も足もでない。

ここまでこないと「知らない」判定にならない。

 

そもそも「知らない」ことが少ないのは、彼らが見たことないものでも立ち向かえると知っているからではないでしょうか。

 

 

少し話はずれますが、「自分はできる」ということを知っているのは人生における大きな財産ですよね。いいなー。

 

 

 

 

仕事に例えると、

めっちゃ仕事できる人も「知らない」の裁き方が上手です。

 

初めての事態に陥っても冷静に対処法を考えられる。

 

働いていると

「知らない」よりも「分からない」の方が怖いかもしれません。

少なくとも僕はこわい。笑

考えてもわからない。

これが一番こわい。

 

学生ほど「知らない」がこわくないのは、調べることが許されているからですかね。

 

 

 

 

 

「知らない」ということは自分の中にサンプルがないということ。

だけど、それには対処ができるはずで、今までのことを応用してみたり、調べてみたり、あがくことでどうにかできることもあるんですよね。

 

 

 

それでも「分からない」こと、それは自分の能力を超えているということ。

新たな考え方や知識を得るきっかけ。

 

 

 

ぼくたちが世界中の全事象を既知にすることはおそらく不可能ですから、きっと「知らない」や「分からない」は恥ずかしいことではないんですよね。

 

だけどどこかでぼくらは線引きをしていて、

 

「この年齢なのにこれを知らないのは恥ずかしい」

 

「この年数働いてこれができないのは仕事ができない」

 

なんて考えてしまうんですよね。

 

 

だけど、自分の中の「知らない」を大切にしてあげれば、次の自分への踏み台になってくれる。

 

「知らない」ことがあるからこそ、それを「知っている」に変えられる。

 

 

 

恥ずかしいけど質問してみたり、難しければこっそり調べてみたり。

 

その一歩がぼくを変えてくれるんじゃないかなぁ。

 

 

逆に、僕が質問されたら丁寧に笑顔で褒めながら、僕の知っていることをお伝えしたいなぁ。

 

 

今日は月曜日。

知らないことに触れることもあるけれど、今週も自分をごまかさず丁寧に働こう。

 

 

 

 

最後まで読んでくれてありがとう。

まだ月曜日だからね、金曜日まで笑顔でいられるように今日は早めに寝るんだよ。